誘惑

7/29
前へ
/29ページ
次へ
「あの、慎さ……」 「貴方は別に、悪いことは何もしてないじゃないですか」 「え……」 「ただ普通に、恋人同士ならすることをしただけで。謝ることなんか何もない」 そう言って、ふいっと顔を背けてカウンターの中に入ってしまう。 どうしよう。 俺は何か、間違ったんだろうか。 いや、さっき襲い掛かってしまったことは後悔してもしきれない。 理性が完全にぶっ飛んでて、そんな状況で手を出したくなんかなかったし。 だけど今、慎さんの様子がおかしいのはそれが理由ではないような気がした。
/29ページ

最初のコメントを投稿しよう!

457人が本棚に入れています
本棚に追加