優しさを君の、傍に置く

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恋は盲目、っていう言葉は本当だったんだろうなと、今更ながら納得する。 俺が思うのと実際の意味とは、ちょっと違うかもしれないが。 絶対俺が守るんだと、心に決めてた。 もう何の不安もないように、大事に大事にして、寂しい思いをさせないように。 俺の世界はすっかり真琴さんを中心に回っていて、それを苦しいとも面倒とも思ったことはなかったし、傍にいられればそれでよかった。 真琴さんの『初めて』だって、絶対俺がもらうと決めてたよ、当然。 だけどそれは、もっとずっと、先の話で良かったんだ。 だって、トラウマなんてそんな簡単なものじゃないだろう? 真琴さんは言葉少なだけど、ちゃんと俺のこと好きだと思ってくれてることは知ってるよ。 だからって、好きな男に抱かれて治るとか、そんなもんじゃないだろう。 無理して頑張って、受け入れて、余計に怖くなったらどうしよう? 不快感しか残らなかったら? 痛みしか残らなかったら? そんな簡単に、踏み出せることじゃないだろう。
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