優しさを君の、傍に置く

30/40
前へ
/40ページ
次へ
夕焼け色を通り過ぎ薄闇が広がりはじめ、ポツポツとパーク内に灯りがつくと途端に物悲しい雰囲気を感じたのは僕だけだろうか。 勿論、パークはもっと遅くまで開いてるし、アトラクションもまだまだ終わらない。 夜のパレード待ちの人達が、そこかしこの道の端で場所取りをし始めていた。 「お城、ライトアップされてる」 「ほんとっすね。近くまで行ってみますか」 次第に濃くなる闇夜の中で、パークの灯りが際立ち始め、装いが代わる。 近づいた頃にはとっぷりと暮れて、シンデレラ城がたくさんの光を浴びて夜の中で一番に煌めいていた。 「綺麗ですね。ほんとに、夢の国にいるみたい」 お城のすぐそばの広場は、案外人が少なかった。 パレードの方へと人が移りはじめているからかもしれない。
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!

497人が本棚に入れています
本棚に追加