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どれだけの時間が過ぎただろうか、もう感覚がわからない。
事を終えても名残惜しくて、彼女の中に居座ったままいつまでも抱きしめていた。
そのまま息が整うのを待っていると、肩に乗っていた彼女の手がぽふんとベッドに落ちたことに気づく。
見ると、まだ少し上気した頬の色はそのままに、小さな寝息を立てていた。
「真琴さん?」
名前を呼んでも、ぴくりとも動かない。
濡れた睫毛に、胸が痛んだ。
たくさん泣かせた。
赤く腫れた瞼や目尻が、あまりにも痛々しくて涙が出そうで。
俺の為に流してくれた涙だと思うと、苦しいくらいに愛しい。
「ずっと、傍にいます」
腫れた瞼に、そっと触れるだけのキスをして。
一生、傍にいると誓った。
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