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いつもと違う朝だった。
このところになく、妙に頭も身体もすっきりしていて、それでいて疲労感は残ってるしまだ眠い。
なんだろう、と思うけどまだ寝てたいし目を開けずにいたら、なんか薬品の匂いもしてきた。
腕にひりひりするような痛みも感じて、眉を顰めた時。
ぐすぐすと、鼻をすするような声が聞こえ、何事かと目を開けて驚いた。
目の前で、真琴さんが半泣きの顔で俺の腕に絆創膏を貼ろうと悪戦苦闘しているところだった。
「真琴さん?」
「あ……」
絆創膏を手に、真琴さんが顔を上げる。
目が合ったのはちょっとだけで、すぐにばつが悪そうに目を逸らしてしまったが、その拍子にぽろっと涙が一粒落ちた。
「な、なに泣いてんすかっ」
「別に、泣いてな……ちょっ! 起きるな! バカ!」
慌てて起き上がったら素っ裸を晒してしまい、彼女が真っ赤な顔でぎゅっと目をつぶる。
「布団! 布団被って!」
「あ、すんませっ!」
あたふたと布団の中に逆戻りしたけど。
よく見れば、真琴さんもまだ毛布一枚に包まったままだった。
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