僕とおじいちゃん

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僕の名前はゴン太。 茶色い毛並みの柴犬だよ。 僕のチャームポイントは、くりくりとした目とくるんとしたシッポ。 五年前に僕は、ここの「橋田」家に来たの。長男のソータが僕をここに連れてきてくれたんだ。 僕はソータの良き遊び相手で、相談相手とゆーわけ。 でも、二年前にソータは仕事でこの家からいなくなったんだ。 ソータが帰ってくるのは、盆と正月とGWとたまに日曜日くらい。 僕のお散歩相手はソータからおじいちゃんになったんだ。 僕が全力で走るとおじいちゃんが転けてしまうから僕はゆっくり歩いてあげるんだ。 おじいちゃんは毎朝、8時に散歩に連れてってくれるんだ。 水曜と木曜はゲートボールの日だから、散歩の途中で公園に行くんだ。 嘆かわしいことに、僕はこの公園に入っちゃいけないらしい。犬はダメなんだって。猫のやつらなんか勝手気ままに公園に入ってるのにね。不公平だよ。 あ、話が反れたね。だからおじいちゃんは僕を公園前の白い通せんぼうに繋いで、ゲートボールしてる。 僕はね、それを見てるのが楽しいの。 だって、おじいちゃん楽しそうだから。 おじいちゃんがゲートボールした後、すごく嬉しそうに僕の頭を撫でてくれるの、 「よしよし、ゴンお利口に待っとおてくれたか。」 そして、おじいちゃんと一緒に並んでお家に帰るの
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