1人が本棚に入れています
本棚に追加
朝が来ても誰も帰って来なかった。
こんなことははじめてだ。
僕は力いっぱいに前へと進んだ。
スッポッと首輪が抜けた。
僕は鎖に繋がれた首輪を見た。
首がやけにスースーする。
『おじいちゃんを迎えに行こう。』
きっと、僕を置いてゲートボールしに行ったんだ。
僕は全力で走った。
おじいちゃんと歩く道を僕は力いっぱいに走ったんだ。
『わかったよ、バカ犬。』
ミーコは塀の上を上がり、ゴンの犬小屋を見下ろした。
『おや?』
鎖に繋がれた首輪を見ると、ミーコは大仰にため息を吐いた。
『たっく、世話の焼けるバカ犬だこと。』
ミーコは家を一瞥すると塀を降りた。再び道路を走る。
最初のコメントを投稿しよう!