僕とおじいちゃん

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僕は公園の前にやって来たんだ。 けど、朝の公園は誰もいない。 僕はいつもの場所に座って待った。 『僕が来るのが早かったのかもしれない。もう少ししたら、おじいちゃんが来るかもしれない。』 空には厚い雲がかかって、どんよりと鉛色になった。 ぽつりぽつりと雨が降った。 雨の日はゲートボールが中止。 でも、僕は待った。 おじいちゃんがくるのを。 『……バカ犬。』 『ミーコ。』 『なにしてんだい。バカ犬。』 『あのね、おじいちゃんを待ってるんだ。』 『…………。』 『あ、でも雨だから公園じゃなくて碁会所の方かな。』 『……碁会所にはいないよ。』 『じゃあ、家に戻ってきてるのかな。』 僕は立ち上がった。 『よくお聞きバカ犬。おじいちゃんは倒れて病院にいるんだ。』 僕はミーコをじっと見た。 『昨日、八百屋さんで倒れて救急車で運ばれた。』 『嘘だっ!!嘘だ!嘘だ!!』 僕は喚いた。 『バカ犬っっ!!』 ミーコが一喝した。 僕はミーコの声を背後で聞きながら、家まで全力で走った。 『嘘だ嘘だ嘘だ!ミーコは嘘を言ってるんだ!家に帰ったらおじいちゃんはいるんだ!そしてそして一緒にお散歩に行くんだ!!』
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