黄金の髪の娘

14/19
前へ
/19ページ
次へ
カイトが王都に到着してまもなく、クーデターは始まった。知らない間に王都の中にはかなりの数の敵が潜んでいて、城はあっという間に墜ちた。 王に不満を持つものは多く、自軍の兵士も多数寝返った。カイトはいつも温和な顔をしていたけれど、クーデターの首謀なだけあって、戦場では武神が乗り移ったかのようだった。 牢に捕まっていた姉様のことは、侍女がとうに逃がしたと聞いて安堵した。 でもわたしは逃げ遅れて……捕らえられた。男たちに床に押さえつけられ、後ろ手に縛られた縄が腕に食い込む。 「――…リーダー! 王の娘、ルシアを捕らえました。足の怪我で逃げ遅れたようです」
/19ページ

最初のコメントを投稿しよう!

14人が本棚に入れています
本棚に追加