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急いで近づいて止めようとするが、彼女はワンピースを脱ぐのを止めようとはしない。膝、腿、と露出していき、ついに下半身全部が現れてしまいそうになった。
どうしよう、目を閉じるべきか、それとも閉じないべきか。素晴らしい光景を目の当たりにするチャンスなのではあるが、純粋にかれんのことが好きならば、ここで見てはダメなんじゃなかろうか。
などと考えている内に、かれんはすっかりワンピースを脱ぎ去っていた。
もちろん、かれんは下着姿という訳でも、ましてや全裸になんてなっていない。緑色のおばちゃんが着ているような水着姿だった。ほっと一安心。期待なんてこれっぽっちもしていないから、ちっとも残念ではない。絶対にだ。
「着てるなら言ってくれよ」
「期待して損しちゃうから?」
「ちげーよ、バカ」
もう一度言おう。絶対に期待なんてしていないからな。
「それにしても、色気のない水着だな」
「うっさい! はい、これ置いて来て」
折角近づいたと言うのに、かれんにワンピースを押し付けられる。置いて来いって、また足痛くしながら戻るの嫌なんだけど。
「じゃ、先向うに行ってくるね」
俺のことなんてちっとも気にせずに、かれんは沖の方へと進む。
仕方がない、置いてくるか。俺はかれんがばしゃばしゃと一人で騒いでいるのを背に、一旦荷物の置いてあった場所まで戻る。
「新太も後できてよ~。新太は全裸でも私は構わないからさ~」
俺は御免だよ。
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