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ソファの足部分に凭れて、首が丁度座面の高さでそこに頭を預けると斜め上に天井が見える。
廊下を挟んで扉二枚で隔たれているから、店内の音は聞こえない。
大きな音がすれば、また別だろうけど。
今頃慎さんは、あのOLさんの話し相手を続行しながら次のカクテルを作ってるんだろうか。
女の人だから今夜はまだいいけど、男の客が長く慎さんに絡んでると、本当苛々させられるんだよなあ。
しん、と静まり返った部屋でそんなことを考えていると、いつの間にか目を閉じていて、いつの間にか寝入ってしまっていたらしい。
どれくらいの時間が過ぎていたのか。
ふと気が付いた時には、微かにシャンプーの良い匂いがしていた。
まだ眠くて目は開かないけれど。
なんで気が付いたんだっけ。
そうだ、ついさっき。
顔に、目の下辺りに温かい指みたいのが触れた気がする。
「……――――――」
そして、誰かが喋った声。
慎さんの声だ。
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