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寄り添ってくる体温が、嬉しくて気持ちよくて
ばくばく鳴ってる心臓の音が、慎さんにバレませんように。
ぴくりとも動くわけにはいかない状況の中、また一つ、心臓を破壊するような事態が起こる。
床に投げ出していた手に、添うように体温が触れる。
慎さんの手だ。
手のひらに寄りそうように慎さんの手の甲が置かれ、思わず指が動きそうになる。
ほっそりとした指の形をなぞってしまいたい。
だけどそれをしたら、起きてるってバレて怒られる……。
怒られるのはいいけど、この体温が離れてしまうのが勿体ない。
こんな風に、こっそり寄り添ってくれる気になった慎さんの気持ちが、嬉しかった。
上手く今起きましたなんて演技をする自信はないし、どうせ怒られるならもうちょっとだけ。
もうちょっとだけ。
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