夜と傷と、【陽介目線】

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だけど、確かにこれ以上ここで迷惑をかけてもまずい。 もし、途中で抜け出したなら連絡をくれるはずだし、ラウンジカフェならすぐに駆け付けられる。 ここで待つ、と言ったのにその場を離れることに心配はあったが、携帯があればすぐに連絡はあるはずだし、3,40分ほどで戻れば問題ないだろう、と考えてしまって。 「あ、すんません。この辺にホームセンターとかありますか」 なんて、呑気な質問をしながらカフェまで誘導されてしまった。 人を待っている、という認識に、この従業員と俺との間に温度差があることに気が付かずに。 「それでしたら、お待ちの間にお調べしますね」 と、それを本気でありがたいと思っていた。
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