夜と傷と、【陽介目線】

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想像しただけで鼻血でそう。 べろべろキスするのだって、絶対そっから先に進みたくなるから控えようとしてるのに、最近はちょっと慎さんに唇舐められただけで陥落してる。 いっそ、本当にこのまま。 ちらりとそんな考えが……いやちらりどころか道のど真ん中を通る勢いで頭の中心を陣取り始める。 慎さんから直接的な言葉はなくても、気持ちは通じ合ってる。 それに先へ進もうと望んでるのは、間違いなく慎さんの意思だ。 一生、大事にする覚悟だって、俺にはある。 寧ろ俺が離れられない気さえする。 ……じゃあ、なんの問題がある? ゆらゆらに揺れまくってブレまくって、頭を掻きむしって叫んでしまいそうになってかろうじて飲み込んだ。 いやいや、ダメだ。 よく考えろ。 男には男の事情があるんだよ! 女の子にはわかんないだろうし、慎さんはその辺本当に無防備だと思う!
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