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被害者Mさんの証言
「……その。僕は、あまり経験豊富というわけではないので、最初はこんなもんなのかなって、思ってたんですけど。
彼、段々エスカレートしてきたというか。いまいち理解できないような場所にキスしたがったりとか、言いたいことはたくさんあるんですが。
とにかくやたらと、跡をつけたがるんです。最初は一つ二つだったのが、いつだったか恐ろしい数のキスマークが付けられてて、シャワー浴びる時に鏡見て思わず悲鳴を上げました。
腹と胸が、何事かと思うくらいに斑模様になってるんです。いくらなんでもひどいでしょう？
あんまりだって怒ったら、次からこっそり僕には見えないとこに付けるようになって、こないだなんか太腿の裏斑模様にされたんです。
見えないと思って！ 僕の言いなりみたいに見せかけてるけど、最近わかって来た。結局、なんだかんだでいつも自分の思う通りにするのは、ぜえったいアイツの方だ！」
―――いや、ちゅーか、太腿の裏を斑模様にされるって、Mさんも随分大人しくされてたんですね。他にはどんな場所にキスされるんですか、ちょっと聞いてみたいです。
「いや、ちょっと……その時は、ちょっと可哀想なことがあった日だったので、つい。許してしまったんですけど。
他の場所、ですか。なんか、二の腕の内側とか、脇腹……とくにくびれの辺りとか、あと一番よくわからなくて尚且つ止めて欲しいのが腋の下です。あそこはまじで意味が分からない。ほんと止めて欲しい」
くびれがあるってのは羨ましい限りですが。
以上、被害者Mさんの証言でした。
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