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「待て!それ以上近付くな!」
そんなシークに向かって、男の一人が叫び、剣を抜いた。
だが、シークは特に慌てる様子もなく男達を順番に見て、
「出来れば下がってくれないか?無関係な者を巻き込むのは不本意でな。」
そんなことを言って、不敵な笑みを浮かべた。
それを聞いて男達は、全員で剣を抜くとシークに向かって構えを取る。
どうやら無駄だったようだ。
「…そうか。ならば骨の数本は覚悟しろ。今の俺は機嫌が悪い。」
「…掛かれ!」
号令が出るや否や、周りから次々と男達がシークに襲い掛かる。
しかし、それらをシークは素手で一人ずつ確実に片付けていった。
その手並みに彼等は、シークを抑える者とクルスを逃がす者とに素早く分かれ、統率の取れた動きでそれぞれが動く。
まるで軍隊だな…いや、私兵と言うべきか?
見事に訓練されている彼等に関心しつつも、シークは容赦はしない。
立ちはだかる者を退けながら、歩を進める。
シークを中心に大乱闘のような形と化したせいで、街は混乱に陥った。
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