一章 続・紅き意志、それぞれの望み

11/171
前へ
/393ページ
次へ
「はっ!」 漸く最後の一人を倒したシークは、辺りを見渡した。 気付けば先程の広場からは随分と離れた場所に居る。 当然、大司教…クルスの姿はとっくに見えないが、シークは相手の居場所は判っていた。 先程のやり取りの際に、目印の代わりになるマナを付着させていたのである。 「ま、しなくとも行き先の見当は付くんだが。」 シークはそう言って、マナの気配を感じる方角、教会の建物がある方をじっと見詰めた。 中央から脱け出されたら厄介だ。 シークは駆け出す。 少し走ったところで、教会の入口が見えてきた。 中から修道士が出てくるのが見えたが、シークは構うことなく走り続ける。 「うわぁっ!?」 シークの姿に足を止めていた修道士達を突き飛ばし、中へ駆け込む。 …あっちか。 気配を察知し、建物の中をずんずんと進んでいく。 やがて、入口を護衛が立ち塞がる場所まで辿り着いた。
/393ページ

最初のコメントを投稿しよう!

12人が本棚に入れています
本棚に追加