一章 続・紅き意志、それぞれの望み

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「退け。無駄な抵抗は止せ。」 「くっ…。うぉあああ!!」 シークに言われ、残りの護衛達は怯みつつも躍り掛かる。 もはや自棄のようなそれらを、シークは酷く冷静に往なし、反撃を見舞う。 そして、すぐに入口の扉を開いて、 「おっと。」 開いた先で待ち伏せていた者の一人を迎撃した。 「無駄だ。お前達では止められん。」 「…だが、責務を投げ出すことは出来ない!」 重ねて言ったシークの言葉に、しかし彼等は耳を貸さない。 だからこそ、出来れば巻き込みたくないのだが。 目の前の男達の見事な姿勢にそう思いつつ、だがシークも諦める訳にはいかない。 ここまで来たのだ、最早戻れん! 心の中で叫び、シークは前へと進んでいく。 護衛達を一人、また一人と倒しながらシークは歩いていく。 扉の先には地下へと続く階段。 避難用の類いの部屋にでも繋がっているのだろう。
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