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そして。
「ここか。」
遂にシークは、そこに辿り着いた。
目の前には再び扉が一つ。
マナの気配からして、クルスがこの部屋に居るのは間違いない。
シークはゆっくりと扉を開け放ち、中へと進む。
「ぐぬ…やはり、止められなんだか。」
部屋に入るや否や、シークの姿を確認したクルスが苦々しい表情で言った。
「観念しろ。最早逃げ場は無い。」
「私を一体どうするつもりだ?」
「先ずは話を聞かせて貰う。後はそれ次第だな。」
「話?…ふん、むしろ私が色々尋ねたいくらいだが。」
返ってきた言葉を受けて、クルスは苦々しい表情はそのままに、ふんと鼻で笑って見せた。
「お前が私の知る人物ならば、そのような若さの筈がない。封印されていたなどと言っていたが、お前は何者だったのだ?」
「質問をするのは此方だ。何故、ユノーを貶めた?お前自身、並々ならぬ恩が有ったはずだ。」
「むぅ!?」
思わぬ内容の質問に、クルスはぎょっとしたように目を見開く。
何故それを知っているのか、と。
「それに、今の魔術に関する在り方についても聞きたい。大方お前の差し金だろ。」
更に重ねて向けられた質問に、クルスは思わず一歩後退る。
やはり後ろめたさが有るのか。
シークがゆっくりと近付いていく。
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