一章 続・紅き意志、それぞれの望み

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部屋には束の間の静寂が広がっていた。 片や、目の当たりにした状況に目を見張る者達。 片や、想定はしつつも何処か呆れたようにする者。 そんな中、最初に沈黙を破ったのは。 「何故来た?」 たった一言、質問を向けたシークだった。 実際、単純な答えは聞かずとも容易に予想出来る。 自分にこんなことをさせたくない、といったところなのだろう。 確かにシークは彼女の為に、という意味でもこんな行動に出たのだから。 そして、それを肯定した上でやはり尋ねたのだ。 どうして止めに来てしまったのか、と。 見詰めてくるシークの視線を受けて悟ったのか、セレスが口を開く。 「だって、そんなこと頼んでないし。」 「…なんだと?」 「勿論、私の為だけじゃないのも解るよ?何となくだけど。」 「なら止めるな。」 返ってきた言葉にシークは酷く呆れた様子で言って、再びクルスの方へ振り向く。 しかし、その背中に向けて、 「シークは言ったよね?これからどうしたいか考えろって。」 セレスは落ち着いた口調で話を続けた。 シークは背を向けたまま振り返らないが、動こうともしない。 続けろ、ということだ。
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