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「私決めたよ。これからのこと。だから…。」
ふと、セレスは言葉を区切る。
そして、ゆっくりと剣を抜いたかと思うと、
「それをする為に、今はシークを止めるの!力ずくでもね!」
セレスは叫ぶように言い放って、走り出した。
これにはシークのみならず、二人のやり取りを静観していたヴァイス達も不意を突かれ、驚いてしまった。
「っ!!そっちの二人はその為の応援か何かか?」
躊躇いなく繰り出された攻撃を、振り返り様に鞘で受け止め、シークはヴァイス達の方をちらりと一瞥する。
男の方は見覚えが無いが、女の方は有る。
あいつから俺の足取りを聞き出したか。
すぐに同行している理由に検討が付く。
そんなことを考えていると、
「協力はして貰ったけど…シークを止めるのは私一人の役目!」
と、セレスが大きな声で言って再び攻撃を繰り出す。
これは、その場に居る他の者達に対する牽制でもあった。
手を出さないで欲しい、と。
それに困ったのはヴァイスである。
立場上、クルス…大司教を助けるべき教会騎士が傍観するのは問題なのだろう。
「ヴァイス、お前はこいつを公の場で裁かせる算段でも考えとけ!」
シークもまた、半分セレスに乗っかる形で手出しを拒む。
勿論残りの半分は、セレスに加勢されると面倒でもあるからたが。
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