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「で?何故「これからどうしたいか決めた」ことの為に俺を止める?それも、自分一人で!」
飽くまでも剣は向けず鞘のみで防ぎ反撃までするシーク。
力量の差を知るセレスは、それに対しても全力である。
「だって…だってそれじゃあシークが悪者みたいになっちゃう!」
「それがどう関係する?」
袈裟斬りと同時に叫ぶセレス。
シークは軽々と回避して、更に問う。
「そうなったら………余計一緒に居辛くなるでしょーッ!!」
一際大きな咆哮と共に、セレスの鋭い突き。
「…なん、だって?」
紙一重で避けて、剣を握るセレスの手首を掴むシーク。
しかしその表情は驚き一色になっていた。
掴んだ手をひッぺがし、セレスは、
「私はシークと一緒に行きたいの!助けてもらった分、今度は私が手伝いたいの!なのに、シークまで悪者扱いされるようになったら、どうすれば良いか解らなくなるじゃない!」
口早に捲し立てて、駄々を捏ねるようにその場でぶんぶんと剣を振り回す。
まさしく、子供のように。
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