一章 続・紅き意志、それぞれの望み

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「じゃあ何か?お前は俺と行きたいが為に、自分にとって不都合な結果になるのを防ぎたい、と。」 「そうよ!!」 正真正銘呆れ顔で確認するシークに、セレスはふん、と鼻を鳴らしながら胸を張ってみせた。 どれだけ自分勝手なのだ。 彼女は大体こんな感じの人間である。 解っているが…解っていてもやはり、改めてそういう姿勢を目の当たりにすると、頭を抱えたくなる。 それに。 「セレス、お前は俺が何者なのかと尋ねてきたことが有ったな。」 「な、何よ突然。」 シークの脈絡の無い発言に、きょとんとするセレス。 だが、シークにとってこれは重要なことだった。 「俺が何者であろうと、共に旅をしたいと望めるのか?」 努めて落ち着いた口調で尋ねるシークだったが、彼自身でも、緊張してしまっていることが解る。 無論、それはセレスにも伝わっていた。 思わぬ方向へと進む状況に、ヴァイス達はただ、黙って見守る他無い。 「…うん。シークはシークだもん。私にとって、それは重要じゃない。」 「…そうか。」 答えを聞いて、シークは鞘を下ろし、腰に帯びる。 それはセレスの目的を達成出来たということである。 「ならば、話そう。俺はっ…。」 場の緊張が解けて、再びシークが口を開いた刹那、それは起きた。 白い輝きを放つ槍が、シークの身体を貫いたのである。
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