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「シーク!!シーク!!」
「僕が診ます!」
錯乱するセレスを押し退けて、ヴァイスがシークの傷を確認する。
シークの腹にはぽっかりと穴が有り、そこからは血がとめどなく溢れ出ていた。
いけない…!!
臓腑への甚大なダメージを悟り、ヴァイスは焦りの色を浮かべた。
この場所ではろくな処置が出来ない。
ヴァイスの只ならぬ様子に、セレスはより一層喚きだす。
「シーク!!やだやだ死なないで!」
何とか策はと思考を巡らせるヴァイスのすぐ横まで来ると、
「止まってよ………止まれぇぇぇッ!!」
セレスはかつてシークから施された治癒の魔術を使ってみせた。
勿論シークからやり方を学んだ訳ではない。
完全に地力による会得であった。
予想外の行動に驚くヴァイスを尻目に、セレスは必死で術を施す。
彼女自身、己のそれには驚愕の一言しか無かったが、今はそれどころではない。
セレスは無我夢中でシークの身体に向けた掌に力を込めた。
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