一章 続・紅き意志、それぞれの望み

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「セレ、ス…。」 懸命な治療の甲斐有ってか、弱々しいながらもシークが口を開いた。 「シーク、しっかり!必ず…必ず助けるから!」 そんなシークの声に、セレスは精一杯の力強さを込めた声で答えた。 しかし、 「止せ…。」 そう言ってシークは、首を力無く横に振る。 どうしてそんな、と思いがけない言葉で動揺するセレス。 そんな彼女へ、シークは言葉を続ける。 「ここから、離れろ…。」 「どうして!?このままじゃ死んじゃうんだよ!」 「離れるんだ…。」 力を振り絞るように今一度言うと、再びシークは静かになった。   「シーク!?」 「………。」 慌てて様子を確かめるセレスとヴァイス。 しかし、セレスが見たのは、うごかなくなったシークと、悔しそうに表情を歪めるヴァイスだった。 「嘘、だよね…?」 ぽつり、セレスが小さく呟いた。 しかし、その問いには誰も答えない。 目の前のそれこそが、答えなのだから。 「うわぁぁぁァァァッ!!」 瞬間、セレスは悲痛な叫び声を発し、 「ぐふぅあっ!?」 一瞬でクルスへ飛び掛かり、腹部へと凄まじい拳の一撃をお見舞いした。
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