一章 続・紅き意志、それぞれの望み

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がくり、と気を失って崩れたクルスを見下ろすセレスの瞳。 それは酷く冷たいもので、それを見たヴァイスは戦慄を覚えた。 「おーっとそこまで。お前さんまで手を汚す気かい?」 そんな相手に対し、けれどライゼは特に変わった様子も無いまま言う。 「そんな爺さん、手を下すまでもないでしょ?」 重ねて、リオンが続く。 刺激してはまずいのでは。 はらはらするヴァイスだったが、 「…大丈夫。そこまではしない。」   セレスが答えて、二人がにやりと笑う。 様子だけ見れば、ちっとも大丈夫そうには見えないが。 ヴァイスがそんな風に考えていると、ライゼがちらりと視線を向けてきたことに気付く。 「で、この状況どうするね?」 「う。」 改めて光景に目をやる。 気絶するクルスに、横たわるシークの亡骸。 辺りには鮮血が広がっている。 これは…収拾がつかないかもしれませんね。 ヴァイスが冷静に今の状況を考える。 と、 「シーク…。」 セレスが力の抜けた声で呟いて、頼りない足取りで再びシークの傍へと歩み寄っていった。
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