一章 続・紅き意志、それぞれの望み

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どくん…。 不意に、それは聞こえた。 まるで何かが脈打つような音が部屋の中に響く。 何事か、と四人はきょろきょろと見渡す。 しかし、辺りには変わった様子は無い。 だが、それは間もなく起きた。 「うわっ!?」 「シーク…!?」 ヴァイスとセレスとが驚きの声を上げた。 その視線の先にはシークの亡骸が。 但し、その身体は鈍色に光る膜に包まれていた。 その膜は徐々に膨らんでいき、 「なっ!?」 突如、破裂したかと思うと、シークから眩い光が発せられた。 あまりの輝きに、その中心…シークの身体が見えない。 更に、同じくシークを中心にして、地面へと光の円が描かれていった。 その中には様々な模様が浮かび上がり、 「こいつは…まさか、魔法陣か?」 眩しさを手で遮りながら、ライゼが目を細めたまま呟いた。 それを聞いて、三人はそれぞれ違う意味での驚きを露にする。 単純に知らない言葉へと反応したセレス。 理由は解らないが、興味深そうに目の前の光景を見詰めるリオン。 ただ一人、ヴァイスだけは表情を焦りのそれへと変化させていく。
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