12人が本棚に入れています
本棚に追加
実行に移す前に辺りを見渡す。
近くに幼い子供が居るだけだ。
騒ぎに繋がってしまうような人の目は無い。
「…ふぅ~、よし。」
一つ息を吐いて集中する。
そして、強化とほぼ同時に大地を思い切り蹴った。
ブワッ…。
身体があっという間に宙に躍り出る。
幾らか能力の発揮値が足りないらしく、途中で更に壁を蹴り、再び高みへと舞った。
壁の頂点が見えたところで、
「ふっ!」
掛け声と共にロープを投げる。
壁の上部、突起の有る場所へと飛んでいき、ロープはぐるぐると巻き付き、引っ掛かる。
後はそれを引っ張るだけで自然と身体が動いた。
あっという間に壁の向こう側の地に着地する。
これで一つ目の関門は突破だ。
「…向こう、か。」
次は、聴覚を最大限に強化。
街らしき存在、その方角を探知して、走り出した。
いつどんな障害が現れるか解らない。
先を急がなくては。
最初のコメントを投稿しよう!