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◇
「テンプる騎士団の皆さん、ありがとうございます」
ギルドの掲示板に戻ったわたしは、練習させてくれたあさむねさんのギルドのひとたちに礼を述べた。
「皆、凄い戦いっぷりだったよ。さすがみんと仕込みのギルドだね、この数時間でかなりビルドアップしてる、正直負けるかも知れないと思ったよ」
あさむねさんは、そう言って練習の成果を誉めてくれた。のっけから力の差を見せられたのはうちの方なんだけど。
「わしも、あさむねくんとかち合った時は負けるかと思うたんじゃが、テンプる時代を思い出して熱くなったよ」
みんとさん、あさむねさんとのバトルで気持ちが入ったみたい。
きっとスマホ越しに「みんとくーん!」や「あさむねくーん!」て叫びながらカウンターの奪い合いしてたのかな。もしもあさむねさんのギルドが、うちと合併してくれたら、フリーメイ村は怖くない気がするんだけど。
「テンプる騎士団の皆さん、明日も練習に付き合ってくれる? またバトルしたい」
ともちさんが、あさむねさんに懇願した。
「そうしたいんだけどね、ぼくたちもリアル事情があるから、何時もは集まれないんだ」
「どうして? 5分あればレベル10上がる練習なのに」
「そうですよ」
ともちさんと同じ気持ちだ。異名覚醒の戦い方に慣れたら、トリプルキラーをフリーメイ村から守ることが出来るのに。
「あたしもともちんと戦いたい。だから約束しよう、次に会ったら二人でまたバトルするって」
そう言ったのはFルネンさんだった。
「うん、絶対だよルネンちゃん!」
ともちさんはルネンさんと再戦する約束を交わした。コメントのやりとりに見えるけど、スマホ越しでは互いがちゃんと声に出して約束をしているんだよね。
「メンバーもまた一つ強くなったし、わしの引退試合に相応しい練習ぢゃったよ。今からみんときゃんでぃーずのギルドマスターはれくれあさんに認定する」
「えっ? わたし、入って四日しかいないんですが」
唐突にギルドマスターに就任しろと言われても。
「わしの武器を渡した時に決めたんよ」
アイスブランドでわたしが二刀流になった、あの時?
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