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「ダ・ピンチくん、あんたじゃったとはね......」
みんとさんは、ぽつりと呟いた。
ダ・ピンチと言うプレイヤーは元いたみんときゃんでぃーずの情報をフリーメイ村に売った張本人みたい。
何の目的で、うちの情報をギルド内に売ったのかは分からないけど、みんときゃんでぃーずに何か恨みがあるんだろうか?
「知っているのか? みんと」
トーサンがみんとさんに訊ねる。
「ギルドを脱退する前ならね。わしらのやり方とは正反対の戦い方をするプレイヤーぢゃったんよ。他のプレイヤーからは"呪いのダ・ピンチ"って呼ばれとって、戦い方を改めさせようとしたら喧嘩になったんよ」
「呪いって......」
このゲームに相手を呪う呪文なんてあったのか。
「だが、そんな呪文ならプレゼンの段階でボツにされるんじゃないのか? 運営に何故知らせなかった!」
「呪文じゃなくて"ブーイング"よね。応援とは逆に相手を弱体化させる効果がある、四面楚歌の状態で食らうと一撃でやられてしまうこともある」
裏の応援効果があったなんて、今、初めて知ったよ。
「それは怖いですね。でもバトルでは今いるメンバー同士でしっかり声を掛け合って、パーティーを強化していきましょう。フリーメイ村とのバトルを避けて通ることは出来ませんので。わたしからの提案ですが、バトルの方針を変えようと思います」
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