声なき魔導士たちのうた

ギルドが転生した

　「新人が入ったんだ、しっかり仕事教えてくれよ」

　「はい、しっかり教えます。榎本さん、今日はうちの保険の仕組みとお客様への説明の仕方教えるから、忘れずにメモをとってくれ」

　佐野先輩は、暫くわたしと一緒に仕事をすることになるからディスクは佐野先輩のと一緒に使うことになるようだ。自分のディスクへ案内してくれた。

先輩のディスクはきっちりしている人だから、小綺麗にしてある。筆記用具と契約書類しか置いてない。

シングルマザーで女子高生の娘さんを持つ沢谷智佳と言う女性と、同じように女子高生の娘さんがいる福田京子と言う主婦の２件を担当しているようだ。

　「先ずは八大接客用語は、知ってるよね」

　「"畏まりました～"とか"少々お待ちくださいませ"や"申し訳ありませんでした"のことですよね」

　マックで教わって来たのでそれは知っていた。

　「マックあがりの愛嬌は抜けてないけど、そんな感じだよ。次はうちの80～90これからだの仕組みについてだけど......」

　佐野先輩はその後も、アベノ生命保険の仕組みや具体的なメリットなどを丁寧に教えてくれた。明日は保険説明を実際にやってみることになり、沢谷さんの自宅に行くことになった。

　「明日は俺がやるのを見ていてくれ、ここは留守が多いから行けるかどうか心配だけど」

　「判りました。ありがとうございます！」

　出勤初日のオリエンテーションは終わり、わたしはアパートに戻る。