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「ノルチョン、マッスデ!」
白のタートルセーターに、キャメルの台形スカートと黒のタイツ、ショートブーツで合わせ、パーマの黒髪をアップに纏めた女性プレイヤー"ぱんミナ"が呪文を詠唱する。
空中で停滞する白のスペルを右手に収束させるとY字型の木の枝のようなものを呼び出した。インディアンのお守り"ドリーム・キャッチャー"だ。蜘蛛の巣の部分から糸を噴射して、木馬の後ろにいるトーサンを捕獲したっ!
「トーサンっ!」
糸に捕まったトーサンは、木馬から引き離されてしまう。タイミングを計ったかのようにフリーメイ村の陣営からトーサンにブーイングの声がかかり。塔の側面に転倒したトーサンは200のダメージを受けてしまう。
「ともちさんっ!」
カットさせるべく、ともちさんに合図を送る。
「タタタタ、タ、タジノッコ!」
判ってると言わんばかりにともちさんは、ハートの盾とスペードの剣を召還し、エゴっぱに駆け出した。
ともちさんにもブーイングの声が浴びせられる。みんとさんが言ってた「この戦法はやめさせたい」理由がよくわかる。仲間がギルドの為に一生懸命戦ってるのを外野から批判されるのを見ると本当に気分が悪い。
みんとさんは、ダ・ピンチにそう言うプレイヤーにはなって欲しくなかったから忠告したんだと思う。あさむねさんと同じくらい大事な友達だったから。
その気持ちを裏切るなんて許せないっ!
フリーメイ村も、ブーイングを分割したのが災いになったわね。一人では不特定多数のブーイングに耐えられないかも知れないけど、三人が分割して受ければその効果は3分の1。
こっちの声援で弾き返せる。
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