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ともちさんがスペードの剣で200のダメージを与えて怯ませたあと、トーサンのランスで更に100のダメージを与えて突き飛ばしパンみなを瀕死に追い込んだ。
「二人とも、ナイスコンビネーションっ!」
ともちさんたち、三人のチームワークが向上しているっ!
これが、トーサン、ともちさん、ゆるきゃりさんたちの本来の姿なのかもしれない。ともちさんはその後も追い討ちをするように呪文のつづきを詠唱しようとするが、四人目のプレイヤー"鳳仙花"が呪文の詠唱で対抗して来た。
「ブリメン、ブリメン、ブリメン......」
胸元にフリンジの付いた、オレンジと黒のジオメトリック柄のトップスにフレアーなパンツを合わせた女性プレイヤー、鳳仙花は宙を舞う灰色のスペルたちをその体に吸収すると、ともちさんの動きがピタリと止まった。
ともちさん、どうしたのっ?
この状況で、ともちさんが動かないのはおかしい。
わたしは、カメラアングルを動かしてともちさんのいるポイントを調べてみると、かのじょのグラフィックに起きたことに気付く。
「なにこれ?」
このゲームでは、恐らく呪文でダメージを受けるより一番恐ろしい呪文だ。
ともちさんの口元、に赤い手形のようなものがべったりと張り付き、口を塞いでしまっている。考えられるとしたら、声が出なくなる。一切の音声入力が無効になるタイプの呪文。
攻撃やカウンターは勿論、タッチやマップギミックさえも使えない。これを食らったプレイヤーはこの世界では無力になると言う訳か。
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