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このままではトーサンがこけし軍団に戦闘不能にされてしまう。
ともちさんや、ゆるきゃりさんに応援を頼みたいけど、三人ともそれどころじゃない。地味なダメージとは言え連続してカウンターを食らったトーサンは早くも体力が2桁を切ってしまった。
さすがに戦闘不能になる訳にはいかず、やむなくトーサンはタッチして15大福さんと入れ替わる。
「クチクノコ、クチクノコ......」
15大福さんは呪文を詠唱し、こけし軍団に対抗してマトリョーシカの軍勢を次々とスペルたちから召喚すると、ひとつひとつを前進させる。
MISAは、迫って来るマトリョーシカの軍団の中にこけしを滑らせながら、カウンターを狙っていく。
系統が似た複数召喚系の呪文二つが衝突すると、まるでチェスや将棋をしているような奇妙な光景だ。同一人物であることを意味するようなマトリョーシカに、同じ顔でも全て別物を意味するこけしの衝突。
常に一人の魔女対、常に大勢に囲まれた魔女。
まるで虐められっ子と虐めっ子が戦っているみたい。
カウンターの取り合いを興じながら、召喚した者たちの奥に立つ使用者にチェックメイトを刺すべく、こけしとマトリョーシカの兵士が一歩ずつ歩みを進める。
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