声なき魔導士たちのうた

ギルドが転生した

　こけしの一体が15大福さんのすぐ側までやって来た。

　チェックメイトだ。

　「いちご大福さん、虐めっ子に負けちゃ駄目っ！　闘ってっ！」

　わたしは窮地に追い込まれた１５大福さんに声を駆けたる。他のメンバーも１５大福さんに声援を送りグラフィックを青く点滅させる。

みんなからの声援を受けて奮起した１５大福さんは作戦を変えた。

ＭＩＳＡに差し向けていたマトリョーシカ軍団を一旦引かせて、自分の周囲に固めた。ＭＩＳＡの攻撃からブロックする作戦に出たようだ。恐らく、ここから反撃のタイミングを伺っているのか。

それとも、自分を囮にして、他のメンバーに攻撃させる積もりなのか。

刹那、ゆるきゃりさんの木馬が画面外からＭＩＳＡに突っ込み３００のダメージを与え、その勢いで木馬を回転しながら後ろに乗っていたともちさんがスペードの剣で一閃！　２５０のダメージを与える。

　「二人とも何時の間に......」

　１５大福さんが囮役をしている隙に、横から合体呪文で奇襲とはともちさんも、ゆるきゃりさんもナイス作戦を考えたものだ。

　「キンバラ、ピカラ、キンバラ、ピカラ」

　吹き飛ばされて呪文を中断したＭＩＳＡに１５大福さんが反撃の狼煙をあげた。マトリョーシカ軍団をＭＩＳＡに一気に進軍させる。

　「バテン、バンバン、バテン、バンバン！」

　体勢を建て直したＭＩＳＡは、すかさずこけし軍団で対抗して来た。