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「キミノ、イチゲキハ......」
わたしのフレイムタンに火力が溜まるまでの間、あさむねさんは更にキャッスルゴーレムにたたみかける。
ダメージは1050と、ついに四桁を突破したっ!
凍結したキャッスルゴーレムは、次に放つ波動砲の準備までにタイムラグが生じ始めている。
「ギルドミンナノ、キタイガ、カカッテル」
「ソノコトヲ、ワスレンサンナ、エクレアサン......」
あさむねさんは、わたしに最後のメッセージを託すように呪文を詠唱すると、1100、1150とキャッスルゴーレムにダメージを重ねていく。
ギルドのみんなの応援も、今までよりだいぶ集まって来た。えくれあのグラフィックが青く点滅する度に、このゲームで起きた出来事の一つ一つが、脳裏を駆け巡る。
ぼったーさんとの出会いから始まり、みんときゃんでぃーずと言うギルドの存在を知り、わたしはひとりじゃないことを知った。
誰しも最初から強い訳でなく、努力や様々な思考錯誤しながらこのバトルマップに立っていることに、このゲームでは、他のゲームでは消して見ることが出来ないものが、見えることも。
たくさんの人の声がはっきりと見える。
だからこそ、本物の人間とコミュニケーションをとったような感覚になり、わたしはこの世界から持って帰ったもので成長させて貰えた。
わたしは、その気持ちに応えないと。
最後の一撃に備えて、わたしは深呼吸を一つ。
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