ギルドが転生した

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 深く吸い込んだ息を、大きく吐き出そうとしたその時。  キャッスルゴーレムに異変が起こった。  漆黒の城砦が、白く輝きあさむねさんの呪文の凍結を打ち破った。この光景は、異名覚醒だ。 合体呪文で誕生したキャッスルゴーレムが、異名覚醒した。これがこのギルドの奥の手だったのか。異名覚醒でより禍禍しい姿に変貌したキャッスルゴーレムは、1つだけだった髑髏が複数に増えている。  恐らく一撃でも食らえばブロックしても大ダメージは免れないだろう。 でも、わたしはもう、後には引けない。戦わなきゃ......  「モウスグ、イップン、タツヨ!」  ルネンさんは異名覚醒したキャッスルゴーレムに怯まず蝋燭の魔人に呪文で命令を出し、攻撃させる。ダメージは750と、先程よりもキャッスルゴーレムは固くなってるみたい。  「サイゴノ、イチビョウマデ、タタク」  「エクレアサン二、ササゲル、サイコーノイップンカンヂャ!」  あさむねさんも、呪文を詠唱し、アイスブランドとライトニングソードでコンビネーションをひたすら叩き込む。 980、970とキャッスルゴーレムにダメージを重ねていくと、最後の一撃で2500ダメージのクリティカルを叩き出した。ルネンさんとあさむねさんたちが最後に放った呪文は......  「アリガトウ」  その一言だけを残して画面から消えた。一分間の究極召喚はタイムリミットを迎えてしまった。
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