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"戦闘不能"
画面上に表示されたメッセージに、涙腺が一気に緩む。
ここまで戦い抜いたのに、みんなも応援してくれたのに、たったの一撃で全てを破壊されてしまうなんて。泣いても笑っても最後だとは知っていても、すごく悔しい。みんなに会わせる顔がないよ......
わたしはプレイを諦めて、スマートフォンを床に置こうとしたが、バトルが終わっても画面が切り替わっていないことに気付く。
えくれあのグラフィックは、まだ青白く輝いている。
どういうこと?
ひょっとして、異名覚醒の特殊能力は、応援が続く限り体力が0でも戦い続けることが出来ると言うことなのか。
フリーメイ村は勝利を確信したのか、ぴたりと攻撃を止めている。
立たなきゃ、戦わなきゃ。みんなが、応援してくれる限り。
「みんな......」
涙を拭うと、わたしはスマートフォンを再び手にとり声を出した。バトルはまだ終わっていないっ! わたしのカウンターは、まだ終わっていないっ!
「立って! えくれあっ! フリーメイ村に勝つのよ!」
諦めたらそこでバトルは終了するけど、みんなが諦めた訳ではない。ひとりでも諦めない者がいる限りバトルは続く。
息を吹き返したえくれあは、フレイムタンを頭上に真っ直ぐ構え、フリーメイ村の城砦に垂直に斬りかかる! 8500のダメージを与え、フリーメイ村そのものを戦闘不能にした。
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