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「全く、あなた達は何者ですか?」
ギルドの掲示版で運営の"りょうた"さんが訊ねて来た。
以前にいてくれたぼったーさんは、ユーザーが意識不明になったことに責任をとって、プログラマーを辞任したので、りょうたさんが変わりに掲示版に現れたようだ。
最後のバトルの後、意識を失ったユーザーさんたちは意識を取り戻しつつあるらしいけど、クリスマスプレゼントはダ・ピンチが運営に出した要望らしい。
「みんときゃんでぃーずだよ」
ともちさんが、りょうたさんに返事をする。
「フリーメイ村が使った"声なき魔道士たちのうた"は同じタイプの呪文でないと互角にバトル出来ない仕様なんですがね、それなしでバトルに勝利するなんて、ぼったーが聞いたらどう思うか......」
声なき魔道士たちのうた?
あの城砦の怪物を産み出した、呪文の臨唱の名前だったのか。
「流石はうちのリーダーだね、ぼったーさんには悪いことしたかもだけど」
「いえ、泣いて喜びますよ」
「へ?」
「あれはソーサルワークでは、元々没にされた案件でした。勿論、えくれあさんに使った究極召喚もその一つで、サーバーの拡張も。あいつは辞任覚悟でその全てをプレゼントしたんですから」
「サーバーの拡張?」
思わず声が出てしまう。
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