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不意にみんとさんと、あさむねさんが動きをピタリと止めた。
「どうしたの、二人とも」
わたしの疑問は氷のフィールドに巨大な影となって帰ってきた。
氷のリンクに吹いた突風を受けて、みんとさんとあさむねさんは硬直しながら、上空に現れたイレギュラーなキャラクターを見上げる。
二枚の大きな翼をはためかせ、ゆっくりと氷の上に着地したそれは、岩のようにゴツゴツした鱗を生やした筋肉隆々の足と、蛇のように長い尻尾、爬虫類特有のぎょろりとした眼球の"ワイバーン"と言うモンスターだ。
フリーメイ村のメンバーがした合体呪文のと同じサイズじゃない。でかすぎる。
ワイバーンに睨まれたみんとさんと、あさむねさんはアイスブランドとライトニングソードを斜に構えてガードの体勢をとると同時に、ワイバーンが吠えたっ!
マップ内の空気が激しく揺れ、バトルに参加したメンバーの周囲に舞っていたスペルたちが消える。
それを、二人はガードして耐えしのいだみたい。
「ああっ!」
みんとさんが呪文で作った氷のフィールドの影響で二人ともスリップしてしまう。
そこにワイバーンが口を開けて突進してきた。みんとさんの呪文がここではミスを誘発したようだけど、みんとさんはアイスブランドをあさむねさんに投げてパスする合体呪文でフォロー。
「あさむねくん、頼むっ!」「任せなよ、ワイバーンは倒すから」そう言ってるかのようだ。
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