声なき魔道士たちのうた

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 オールブラックのコーディネートに、キャメル色のコートを羽織り、深い赤のパンプスと少し大人な装いに着替えたルネンさんは、早くも異名覚醒で本気を出した。 ともちさんも同時に異名覚醒し、呪文を詠唱する。  「ドクシャノ、ミナサマ......」  「ホントウニ、ホントウニ」  「アリガトウ、ゴザイマシタ!」  蝋燭のバスターソードを前身に構えたルネンさんと、スペードの剣を斜に構えたともちさんは、まっ正面から駆け出した。  「ルネンさん、ともちさん。二人とも頑張れっ!」  わたしは、バトルを始めた二人に声をあげる。  ふと、こんなエピソードを思い出す。  格闘ゲームのトッププレーヤー、世界のトケダは世界屈指のプレーヤーをプレイ中の発見で撃破し、優勝した。優勝したトケダが言ったコメントは確かこうだった。  ひとは、ゲームで成長出来る。と。  この話しは実話だけれど、今の私たち、いやこのゲームをプレイする全ての人に言えるかもしれない......  マップのBGMが切り替わる。この曲は、今まで聞いたことない、透き通った女性の声だ。この声の持ち主は、プレーヤーと歌手を掛け持つLOLさんの声のような気がする。
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