暗殺者が仲間になった

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 殺人的な眠気をこらえながら、わたしはあがりの時間までレジ打ちを続けた。 早退はしていられない。850円の時給が幾ら削られることか。今の給料でも生活はカツカツなのに、これ以上給料減ると、生活が出来なくなってしまう。 だから、バイトで小言を言われても、こうして続けるしかないんだけど、わたしには気分転換出来るものがなかった。 そんな時、出会ったのが"魔導詠唱マジックヴォイス"だった。  「お疲れ様、今日はゆっくり休みなよ。就活だってあるんだから」  バイトが終わると南本先輩は、そう言ってくれた。  「ありがとうございます、お疲れ様でした」  わたしはそう言った後、アパートに帰る。  家賃が4500円のワンルームアパートで色々と買い揃えるお金もないので、部屋には必要なものしか置いてない。もう少しお金が貯まれば、もっと良い部屋に棲めるのに。 シャワーを浴びて、簡単な夕食を済ませると、わたしは"マジックヴォイス"にログインする。あれからみんなどうしているのかが不思議と気になるのもあるけど、まだ自己紹介していないメンバーもいる。  寝る前に少しだけプレイしよう。
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