暗殺者が仲間になった

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 マップの煉瓦に持ち上げられたえくれあは、ともちさんのスペードの剣をフレイムタンで受け止めたっ!  「アイハバ、アポ!」  ともちさんは続けざまに剣を振るって来るが、寸での所でカウンターを食らわせて、ともちさんに20のダメージを与えた。 わたしは、マップの名前を叫んだだけなのに、一連の動きを自動的にえくれあがやってのけた。どうしてそうなったのか一瞬混乱したけれど、ひょっとして、わたしはえくれあ、ともち、マップの名前を一度に音声入力して、コンビネーションを生み出したのかも知れない。  「アポーペン!」  止まってる暇はないっ!  これだけ動いてやっと与えたダメージが、たったの20では、フリーメイ村のひとりとも、互角に渡り合うなんて無理だ。 わたしは呪文を追加詠唱し、ともちさんにフレイムタンを降り下ろす。 矢張り、ともちさんはそれもお見通しとばかりに、煉瓦の塊を下ろしてフレイムタンの一閃をかわす。攻撃をかわされたえくれあは体が泳ぎ、煉瓦の高台から地面に落下してしまう。  バトルが俄然、面白くなってきた!  音声入力の内容を、明確にすればするほど、コンビネーションが繋がり、操作キャラがスムーズに動くなんて、ただスペルを詠唱するだけのゲームではないんだ。
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