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「浅岡さん、コークお願いします。村山くんはバーガーお願いね。いらっしゃいませっ!」
バイト先のマックは、今日も千客万来だ。
バイト仲間で連携をとりながら、注文しに来たお客さんに対応する。バイトが終われば、予約していた職場の面接が待っている。それが終われば、自宅で採否を待つだけだ。
マックの皆は、接客が良いと評判だから正社員になりなよ。下手に面接して変なとこで泣いて辞めるより確実だよと言われたが、確かに職場の人間関係で悩んで辞めて次を探すと、職場を転々としてフリーターからニートになってしまう。
先輩たちは、そんな人たちを何人も見て来たと言う。
「ええと、ビッグマックとナゲットのMと、コークのL、あ。ナゲットはサルサソース頼める?」
カウンターにやって来た女子高生たちが、注文した。
「畏まりましたっ! 850円になります」
「でさぁ、昨日うちでマボイしてたんだけど、親に何独り言言ってんだって突っ込まれてさ」
ポニーテールの子が財布から千円札を抜き出しながら、マジックボイスの話題を切り出し始めた。
「わかるわかる、それ彼氏もやってんだよね。スマホに私の名前連呼するから恥ずかしくて......」
長い髪の子が照れながらそう言った。この子たちは愛のカウンター返しでもやっているのだろうか。
みんときゃんでぃーずの人たちも、きっとそんな感じでプレイしているのかも。トーサンとか「カーサンしっかりしろ!」と叫んでそうな気がする。プレイヤーに(有)カーサンや、ニーサンや、ネーサンって人見たことないんだけど、逆に見てみたいかも。
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