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ともちさんは総長とスリーセブンに挟まれて完全に防戦一方だ。
前方から総長の蹴りが、後方からはスリーセブンに命じられてともちさんを包囲したボトル軍団が件のごとく爆発する。ともちさんはその度に剣と盾でブロックする。
ボトル軍団の大規模な爆発は威力が威力だ。完全にダメージをシャットアウトすることは出来ないみたいだ。
ともちさんは40、40、40......と地味にダメージを受けている。
この相手にどう戦えばいいの?
わたしやトーサンの呪文だと、至近距離に近付くまでに爆発を喰らって戦闘不能になる。遠距離の呪文だと詠唱したポイントから動くことは出来ないからこの手の呪文のかっこうの餌食だ。
ボトル軍団の起爆ポイントをずらして、スリーセブンが次の呪文を詠唱するまでに、タイムラグをどうにかずらすことは出来ないのかな?
そこまでに体力を削り切ることが出来なければ、その作戦は意味がない。
呪文のダメージ量から考えて、ボトル軍団をスリーセブンの至近距離で一気に爆発させて、相打ちになるか、ゆるきゃりさんのようにギャンブルして其処で誰かとタッチして勝つしか方法はないの?
不意に、ともちさんがガードを解いた。
「どうしたの? ともちさんっ!」
「マワセマワセ、マワセイっ!」
ガードを解いたともちさんに、総長が再び蹴りかかる。スリーセブンもボトル軍団を起爆させる。ともちさん、まさか総長を倒す為にボトル軍団の中に誘き寄せたの?
なりふり構わず突っ込んで来る、総長の性格を逆手にとって。
「ともちさんっ!」
わたしの叫びも虚しく、ともちさんはボトル軍団の爆発に飲み込まれた。
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