ギルド全滅の危機

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 「ありがとうございます」  逆転のボンバーガール、か。リアルはボンビーガールだけど。 考えたことなかったな。学生時代は呼ばれたひとがどう思うかなんて、知らずに色々ニックネーム付けて楽しんでたし、それが普通だと思ってた。アプリゲームでも好きに文章が入力出来るからそれが楽しくて流行語みたいに言葉を使ってた。  このゲームの世界は、肉声で呼ばれるのが常。  文章は幾らでも編集出来るけど、一度声に出してしまったら取り消すことは出来ない。だから自分の発言には責任が伴う......  「ところで、えくれあさんはクリスマスプレゼントは何が欲しいか決まりましたか?」  ぼったーさんが訊ねて来た。  「わたし、ですか?」  新しい呪文やファッションも欲しいけど、掲示板で話していて一つだけ欲しいものが思い浮かぶ。  「掲示板で、皆さんのグラフィックが見れるようにして欲しいと言うのは駄目ですか?」  入室した人がどんなグラフィックしているのか、掲示板でコメントを交わしていてわたしが最初に思ったこと。  「良いアイデアですね、こちらでも検討しておきます」  「良い知らせの後で悪いんじゃがね。ぼくは次のバトルでギルドマスターを降りることにするよ。今回のバトルはぼくの采配ミスでみんなに大変な思いをさせてしもうたけんね。お詫びと言ってはなんじゃけど、明日はゲストをうちに招く」  「ええええっ!?」  みんとさんの突然のギルドマスター引退に、ともちさんが声をあげた。  「ぼくの引退試合の後で、新しいギルドマスターを決めて欲しい。今日はもう遅いから、詳しいことは明日説明するよ」  みんとさんは、それだけコメントするとマジックボイスからオチた。
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