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揚げたてのフィレオフィッシュに甘くて酸味のあるタルタルソースがかかったのがパンズに挟まれたバーガーと、ホクホクのポテトにジンジャーエールをトレイに乗せて、2番のテーブルに持っていく。
「お待たせ致しました」
「ありがとう」
サラリーマンの男性は、そう言うとフィレオフィッシュバーガーにかぶり付いた。
こういう光景を見るのも、今日で最後になるんだ。マックでのバイトも今日でお別れか、長いようであっと言う間だったな。
ここでバイトしてから、色んなことがあったのを思い出す。
「皆さん、長い間、本当にお世話になりましたっ!」
バイトが終わり、私は店長や先輩たちに頭を下げた。働き始めてから今日までのことがわたしの胸を駆け巡り、目に熱いものが込み上げて来る。
「榎本さんは、本当によく頑張ったね。新しい仕事も頑張るんだよ」
店長は寂しげな顔をしながらも、ニッコリ笑って励ましてくれた。
マックでのアルバイトの最後の日当を貰い、制服から私服に着替えると、アパートに戻る。今日はみんとさんの引退試合をかねたゲストプレーヤーさんとの交流があるんだった。
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