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「ゴブサタデス!」
カオルさんは、ブロックの体勢をとるわたしに呪文のつづきを唱え、龍を鞭のように操りながら攻撃してくる。
「お願いします、かおるさんっ!」
ドラゴンウィップの噛み付きを、横に回避してカウンターを狙うが、カオルさんは、わたしが回避したポイントに龍を向かわせて噛み付きをさせる。わたしもそれを掻い潜り、カオルさんに攻撃を当てたい。
それなのに、一歩も近付けない。
「ネガバト、ネガチョン......」
あら姫さんが、カオルさんの龍に氷属性の合体呪文をかけ、刺のような氷塊を纏ったドラゴンに変化させた。
「チュチョ、チュチャナ!」
あら姫さんのアイスクリームのロッドは、この呪文の組み合わせには相性が抜群すぎる。カオルさんのドラゴンは刺々しい氷の鎧を身に纏った。
このドラゴンの一撃を喰らえば、戦闘不能は免れないっ!
でも、カウンターとらなきゃ。ここで怖じ気づいていたら、ここから先のバトルでフリーメイ村に勝つことは出来ない。
頭上からえくれあを見下ろすアイスドラゴンは、カオルさんの命令をじっと待っている。次の一言がえくれあの運命を左右する。
深呼吸を一つ。アイスドラゴンの一撃に備える。
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