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「アスラス、ウィテウィテ!」
カオルさんがスペルのつづきを詠唱し、アイスドラゴンに命令を出した。今だっ!
「カオルさん、いきますっ!」
頭上から躊躇なく突っ込んで来るアイスドラゴンにタイミングを合わせ、避けてからのカウンターに出ようとするが、えくれあが動かなくなった。
「なんで? どうしてっ? あっ!」
画面外に散った、Fルネンさんの呪文で召喚された蝋燭軍団がえくれあに結界を張ったことに気付いく。
画面内にいるプレイヤーの動きなら、ある程度把握出来るけれど、画面から外に出られると完全に死角だ。誰が何をしているか把握出来ない。カメラアングルを移動すれば確認は出来るが、一度呪文を詠唱すると、目の前のプレイヤーに集中しなければならない。
折角、勇気を出してカウンターをしたのに、練習はここまでか。
そう思ったその時、不意にアイスドラゴンは向きを変えて別の方向を攻撃し始めた。
木馬に股がったゆるきゃりさんとともちさんが、カオルさんの攻撃にカットを入れてくれたんだ。容赦なく噛み付きを仕掛けるアイスドラゴンをスピーディーにかわしながらカウンターを狙っている!
「ゆるきゃりさん、ともちさんっ!」
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