0人が本棚に入れています
本棚に追加
笛ラムネ
「おーい、キツネ。 今日も買ってきたぞー」
英治は買い物袋を持って腰掛ける。
そこにはきつねのお面を被った
妖怪のキツネが退屈そうに寝転がっていた。
「お? なんだ、エイジ? 今日は何を持ってきたのだ?」
「今日は面白い駄菓子だ」
と、袋から笛ラムネを取り出すと一つキツネに渡した。
「今度は爆発せんだろうな?
顔がふーせんがむに襲われるなんて勘弁じゃぞ? お?」
「安心しろ、爆発もしないし冷たくもない。
口で咥えて吹いてみな」
渋々、キツネは口に咥え息を吹きかけてみると
綺麗な音色がラムネから奏でられた。
「お、良い音色じゃんか!」
「もっと吹いてみるぞ!」
ピーヒャラと綺麗な音色を響かせるキツネ
すると、ガサゴソと近くの草むらが動いた。
「うわあっ! なんだこりゃ!?」
英治がキョロキョロしていると、
近くの草むらからひょっこりと狐が現れた。それも何十匹も。
最初のコメントを投稿しよう!